まず、中国やモンゴルの砂漠や乾燥地帯で砂塵嵐が発生します。砂塵嵐は、台風のような強風で砂や砂利が舞い上がる現象です。そのような砂塵嵐のことを、モンゴル語でトゥイリン、中国語でシャチェンバオといいます。この砂塵嵐で舞い上がった砂のうち、遠くに運ばれる微小な砂粒を黄砂といいます。
 日本に届く黄砂の平均的サイズは、0.005mm程です。黄砂の色は、クレヨンの黄土色と同じで、指でさわると壁土みたいで粘っこい感じがします。ですから洋服や自動車につくと簡単には落ちません。日本には2〜5月に主に飛来し、たまに秋にも飛来することがあります。
 最も遠くに運ばれる時は、ハワイやアメリカにも届きます。

 ハワイのジャングルの樹木を維持するためには、栄養素となるミネラル分がたくさん必要ですが、黄砂に含まれるリンや鉄等のミネラル分が重要な役割を果たし、また海に落ちた黄砂は、魚の餌となるプランクトンの増殖に必要なミネラル分を供給する役割をもっているとも言われています。
 しかし黄砂が激しくなると、視程が悪化して飛行機が欠航するなどの障害が起きます。韓国では、非常に激しい場合は、外出を控えるようTV 等で国民に知らせています。
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