今回は「水」についてです。
 人間にとって、水とはどのような存在なのでしょうか。
 まず、体に取り込まれる時に水は、酸素や栄養素を運び込みます。そして最終的には不要なものを排出してくれます。熱くなれば、汗として体温を調整してくれます。体内の消化、吸収、排泄、分泌は、水があってこそ可能になります。体内酸度の調整もしてくれますし、浸透圧の恒常性も保ってくれます。

 だからこそ人は食料なしでも数ヶ月は生きられますが、水がなくてはほんの数日ともたないのです。例えば、体内水分の10%が不足すると、まず異常を感じます。精神障害に陥る場合もあります。15%の不足で脱水症状を起こし、20%失われると貧血状態に陥って、その先には死が待っています。
 しかし脱水症とは逆にその水分量が10%以上多いと、今度は血液が薄まってしまいます。中毒症になり、痙攣が起きます。とは言っても、飲み水は30リットル位摂ったとしても腸が吸収しません。また理論的には、腎臓は一日に22リットルの尿を生産できますから、多い分は排泄します。ですから、静脈注射でもして直接体内に水分を送り込まない限り、まず水中毒になることはないわけです。危険なのはやはり不足です。
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