脳に入ったトリプトファンは、脳幹の中にある縫線核という場所でセロトニンになります。それで縫線核の神経細胞は、セロトニン神経と呼ばれています。

 脳の中でセロトニンが発見された当初は、睡眠との関係で注目されました。それが、眠れない時はホットミルク(セロトニンの原料であるトリプトファンが多く含まれている)を飲むと良い、と言う話しに繋がります。

 しかし最近、セロトニン神経は寝ているときにほとんど働かず、とくにレム睡眠と呼ばれる深い眠りではまったく働かないことがわかりました。そして朝目が覚めると働き始めて昼間中活動を続けています。このことから、セロトニン神経は目覚めているときのはっきりした意識を調整しているものだ、とわかってきたのです。
関連記事はこちら